■豆の詳細
焙煎度 : 浅煎り
風味特性 : カカオ、トロピカルフルーツ、スムースな飲み口
地域 : ミナス・ジェライス州モンテ・ベロ(スル・デ・ミナス)
標高 : 1,200m
精選方法 : ナチュラル
品種 : ブルボン
飲み初めから感じられるカカオやアーモンドのような香ばしい甘さが、まさにブラジルのナチュラルといった印象ですが、まろやかでスムースな飲み心地が豆そのものの品質の高さを物語っているようです。冷めてくるにつれて、徐々にジューシーなトロピカルフルーツの甘さに変化していきます。終始一貫して心地よい飲み口が楽しめて、満足感のあるコーヒーに仕上がっています。
『ブラジル パッセイオ農園 ブルボン ナチュラル』
スペシャルティコーヒーの先駆者
最高標高1250mという、まるで中米の様な立地のパッセイオ農園。農園は100年の歴史を持ち、3世代にわたってコーヒーの生産を行っています。パッセイオ農園は、1997年国連のグルメコーヒープロジェクトに選出された10農園の1つで、COEの前身となった当時のコンペティションで1位を獲得したスペシャルティコーヒーの先駆的な農園です。このグルメコーヒープロジェクトは、のちのブラジル全土・世界のコーヒーの歴史を変えたと言い、アドルフォさん自身もスペシャルティコーヒーへ100%考えが変わったとターニングポイントでした。
その後も絶えずカップクオリティの向上に邁進し、ブラジルでは稀有なハンドピックでの収穫。試験区画での品種の検証なども行っており、各区画の日照条件や土壌に対して適正な品種を検証しながら毎年のようにリノベーションを行い、品質の向上と安定した収穫量に努めてきました。
特別なロットの生産
近年は、カップクオリティをより向上させるために、優良な区画に関しては本収穫の2週間前に試験収穫を行い、カッピングを行った後に適切な収穫のタイミングや生産処理を決めて本収穫に移しています。今までは実ったチェリーの糖度だけを測定し収穫の判断をしていましたが、現在の方法によってマイクロロット・ナノロットと呼ばれる特別なロットを作るために適切な収穫期の設定と生産処理を施すことができ、品質の更なる向上につなげています。
今回のナノロットにおけるナチュラルプロセスは、収穫期の中で最も良い時期に収穫したチェリーで作られた非常に小さなナノロットになります。このブルボン種の区画はパッセイオ農園の中でも高地の1150mに位置する区画で生産されています。収穫したチェリーは、ウォッシャーで洗浄と比重選別を経てコンクリートパティオに持ち込まれます。コンクリートパティでは2日間かけて初期乾燥を行い、その後アフリカンベッドに移動し均一に乾燥が進行するように薄く広げます。アフリカンベッドでの乾燥は15日間かけてゆっくりと行われ、その間も攪拌と選別を繰り返しながら、乾燥終盤まで仕上げられます。その後、再びコンクリートパティオで乾燥(最終的な水分値の調整)という3段階の乾燥工程を踏んでいます。最後に木製の保管庫にてレスティングを行い全体の水分値を均一にし、ロットが仕上げられています。この方法は、スペシャルティコーヒーの生産を開始して20年の経験の中で作った乾燥レシピで、熟度を活かし華やかで風味豊かなコーヒーに仕上がると言います。