美味しさ長持ち ” コーヒー豆の保存方法 ” をご紹介
コーヒーラバーの皆さん、こんにちは。今日も素敵なコーヒーライフをお過ごしでいらっしゃいますでしょうか?
ところで、皆さんは普段、” コーヒー豆の保存方法 ” はどうされていますか?
コーヒー豆は焙煎された後、酸化するとか、香りが抜けていくなど時間が経つにつれてどんどん鮮度が落ちていくという話を聞いたことがある方も多いと思います。
お店でコーヒー豆を買ったらできるだけ美味しく飲める状態を長く保ってコーヒーを楽しみたいですよね。
ネットなどで ” コーヒー豆の保存方法 ” について調べた時、いろいろな方法や、考え方が書かれていて、結局どうすればいいのか迷ってしまうこともあるのではないかと思います。
そこで今回、僕自身も実際に取り入れている、シンプルで実践しやすく、かつコーヒー豆も長持ちするという保存方法についてご紹介したいと思います。
■ コーヒー豆の劣化に影響を与える要因
ではまず、保存方法をご紹介する前に、実際どういった要因がコーヒー豆の劣化に影響を与えているのかということを先に挙げていきたいと思います。
原因が何となくでも理解できていると、自分でも色々考えて対処しやすくなりますので、できれば少しでも頭に入れておきましょう。
① 水分
コーヒー豆に含まれる水分は最大でおよそ3%程度と言われており、これは相対湿度として極めて低い数値であるため、コーヒー豆の吸湿性というのは非常に高いものであることが分かります。要するに、湿気を吸いやすいということですね。水分がコーヒー豆の劣化に与える影響は非常に大きいので、できるだけ乾燥した状態を保つことが望ましいです。
② 酸素
コーヒー豆は酸素に触れると酸化し、また炭酸ガスの発生も促進します。コーヒー豆の酸化は渋味などの原因になると言われ、炭酸ガスの発生はコーヒーのあのいい香りを同時にどんどん放出させていってしまいます。
③ 光
紫外線もコーヒーの風味に影響を与える要因の一つであるため、直射日光や蛍光灯の灯りなどは極力避けた方が好ましいです。
④ 温度
温度が高い状態の時ほど、水分や酸素による化学反応のスピードが速くなるという特性があるため、こちらもなるべく高温の環境は避けた方が望ましいです。
⑤ コーヒーの状態
最後に、これまでに挙げた要因はいずれも外的な要因になりますが、それとは異なり、もう一点大事な要因を挙げるとすると「コーヒーの状態」、つまり「豆か粉か」になります。先に挙げたような経時変化は豆の状態に比べて、粉の状態の方がはるかに激しく変化していきます。また香気成分についても短時間で抜けていってしまいますので、保存性を考えれば豆の状態で保存した方が格段に新鮮な状態を保持することができます。
■ おすすめの コーヒー豆の保存方法
以上のコーヒー豆の劣化要因を踏まえ、また実用性も考慮したうえで僕がおすすめするコーヒー豆の保存方法は、ズバリ!!
『 冷凍保存 』
です。
何だ、冷凍かと思われた方。
そう。冷凍なんです笑
巷でも既によく言われていることだとは思いますが、色々試してみた結果、やっぱり冷凍保存が一番いいです。
では冷凍保存をおすすめする理由とは一体何なんでしょうか。
*おすすめする理由
まずやはり、先に挙げたコーヒー豆の劣化要因への対策をクリアしやすいことです。
冷凍庫の中の湿度は通常20%以下、光もシャットアウトできるし、温度ももちろん低温なのでこれもクリアしています。
問題は酸素。冷凍保存とはちょっと関係なくなりますが、酸素対策に一番おすすめなのはコーヒー豆の専用保存袋を使うことです。お店にもよりますが、コーヒー豆を買ったら専用保存袋に入れて渡してくれることが多いです。専用保存袋にも実はいくつか種類があるのですが、最も効果的なのは「逆止弁バルブ」と呼ばれるバルブがついているもの。大抵袋の裏側で、穴が空いたような加工がされていればそれが逆止弁バルブです。(当店ではこのタイプの袋を採用しています)この逆止弁バルブというのは、袋内部のガスは外へ放出させるが、外気の内部への侵入は防ぐという働きをしてくれます。コーヒー豆から炭酸ガスが発生することで袋内部の酸素濃度の割合が下がり、溜まった空気は次第に外へ放出されていきますが、外からの酸素の侵入は防いでくれるという仕組みです。ですので、袋内の酸素濃度をより減らすには、なるべく袋内の空気を押し出して封を閉じておくのが良いです。
この専用保存袋にコーヒー豆を入れて、そのまま冷凍庫に保存するのが実用性に加え、手軽さという意味でもコーヒー豆の保存には最適だと考えます。
*補足
冷凍保存について、念のためいくつか補足をしておきたいと思います。
1つめは、冷凍保存についてよく言われることが「結露」です。
豆を冷凍庫から取り出すとき、結露によって豆に水分がつくので、冷凍庫保存は良くないという話です。冷凍庫から袋を取り出したとき、まず結露するのは袋の表面で、すぐに豆に結露し始めるわけではありません。袋を開けて暖かい空気が中に入り込んだ段階で、豆に結露し始めます。ですので、袋を開けたらできるだけ手早く必要な分量を取り出し、またしっかり封を閉じてすぐに冷凍庫へ戻した方がいいです。確かに結露による水分の付着を完全に防ぐことは難しいのですが、実際にこの方法で2ヶ月ほどかけて豆を試飲し続けましたが、常温で保存していた場合よりも風味は長持ちし、美味しい状態で飲み続けることができました。おそらくわずかな結露があったとしても、またすぐに冷凍環境に置くことで結露の影響を少なくすることができているのだと思います。
2つめは、抽出時の温度低下についてです。
あ、ちなみにですが、コーヒー豆は非常に水分が少ないため、冷凍保存をしても豆が凍ることはありません。冷凍庫から豆を取り出してすぐにミルで挽くことが可能です。また粉で冷凍保存をしていた場合でも、凍っていないのでメジャースプーンでサクサクすくう事ができます。
で、抽出時の温度についてですが、確かに冷凍庫から取り出してすぐに使うことができるので、抽出開始時の粉の温度はすごく低い状態です。ですが、1杯取りで実際に抽出液の温度を計りながら淹れてみると、蒸らしの段階で2℃ほど温度に差はありますが、抽出終了後の出来上がりの温度はほとんど変わりありませんでした。風味に関してもほとんど違いは感じられず、この違いが完璧に分かる人はきっとコーヒー鑑定士になれるに違いありません笑。総合的に見れば、豆を解凍する時間をとるとか、常温保存するとかと比べれば、僕には冷凍即使用の方がよりメリットが感じられます。
3つめは、冷凍保存にはコーヒー豆専用保存袋じゃないとダメなのかということ。
これは必ずしもそうじゃないといけないということはありません。密閉性の高いキャニスターなどでも良いと思います。専用保存袋は先に触れたように酸素除去に優れていますし、多層フィルム構造になっていて、遮光や匂い移りにも強いといった特徴があります。あと、袋なので中の空気を押し出して小さくすれば冷凍庫のスペースの節約になったり、落としても破損しにくいという実用性もあるため、おすすめしています。
4つめは、冷蔵庫保存はどうなのかということ。
コーヒー豆専用保存袋に入れておけば、冷蔵庫保存でも悪くはありません。ただ、冷蔵庫は冷凍庫と比べると匂いの元になる食品が多かったり、扉の開け閉めの頻度が多いことで庫内温度と湿度が安定していなかったりと保存状態があまり安定しません。また冷凍庫と比べるとやはり高温ではあります。という感じで、色々考えてるうちに結局いつも「じゃ冷凍庫で良いやん。」という結論になってしまいますね。
■まとめ
以上、おすすめのコーヒー豆の保存方法ということで、『冷凍保存』をご紹介してきました。
ただ正直、冷凍保存が絶対というつもりは毛頭ありません。
お気に入りのキャニスターを見つけたから、それに入れてキッチンの棚に飾りたい。そうすると気持ちも上がるし、毎日のコーヒータイムが楽しくなるということでしたら、ぜひそうした方がいいと思います。
自分にとって価値ある方法でコーヒーを楽しむのが結局は一番だと思います。
今回ご紹介した冷凍保存のやり方については、「ご家庭でのコーヒー豆の鮮度維持と手軽さの両立」という点でおすすめの方法です。
ですので、例えば自分のお店なんかでは、豆の消費の回転が早いので使いやすさとディスプレイを優先して、ガラス製のキャニスターで常温保存したりしています。
というわけで、今回の記事を一つの参考にして頂いて、皆さんにとっての最適なコーヒー豆の保存方法を見つけて頂ければ幸いに思います。
ではまた明日も素敵なコーヒーライフを。